雇用・男女平等

非正規職員の時給1,000円以上に

 埼玉県の最低賃金は2015年10月から時間額820円になりました。とはいえ月額で約14万円(中央最低賃金審議会の月労働時間173.8時間で計算)、年収では167万円で、若者が結婚し子育てするには難しく、とても少子化に歯止めをかけられる水準ではありません。実態として生活保護基準にも達していません。最低賃金は、「労働者の生活の安定、労働力の質的向上及び事業の公正な競争の確保に資する」(最賃法1条)ことを目的としています。欧米や、アジア、ラテンアメリカなど世界各国では1,000円を超える引き上げがおこなわれていることなども踏まえると、最低賃金の大幅引き上げは喫緊の課題です。埼玉県労働組合連合会(埼労連)は県の非正規職員をはじめ「誰でも時給1,000円以上」に引き上げるよう要求しています。
 
 

ブラック企業の公表、取り締まり強化を

 民青同盟埼玉県委員会がおこなった若者の就労状況アンケートによると、正社員として雇用されているのは約3人に1人で、将来の生活は不安定な状況です。正社員の年収は36歳男性で約550万円、しかし非正規雇用では最高でも約280万円と約2分の1です。これでは一人暮らしはおろか、人生設計そのものが成り立ちません。正社員が当たり前の社会にしていくことが求められています。
 前途ある若者を低賃金で壊れるまでこき使うことで急成長をしてきたブラック企業。今、全国の事業所では8割以上が何らかの法律違反をしており(全労連・労働法制連絡会調べ)、そのなかで違法な時間外労働は43.8%、残業代不払いは23.9%となっています。
長時間労働が健康破壊、過労死の多発につながっています。埼玉県内のブラック企業を公表し、取締りを強化することが必要です。
 
 

使い捨てがすすむ労働者派遣法改定

 今国会で政府は労働者派遣法の改定をねらっています。法案では労働組合等の意見を聴きさえすれば、たとえ反対されても、正社員を派遣に切り替えることが認められ、使い捨てが当たり前の社会になってしまいます。
 労働法制の規制緩和をやめ、雇用の安定をはかることがデフレ脱却の足がかりになります。15年1月の埼玉県の有効求人倍率は0.81倍と首都圏のなかでは最低水準です。全国的にも沖縄、鹿児島に次いで45番目。なかでも正社員の有効求人倍率は0.56倍と2人に1人しか求人がありません。上田県政では、深刻な雇用問題や貧困と格差の解消がはかられるのか心配です。