民主県政の会ニュース179号

県議会6月定例会
共産党の質問封じ

金子議員の発言通告に公明党が“まった”「共謀罪の文言削れ」と不当な修正要求

埼玉県議会定例会が6月19日開会され、補正予算案1件及び条例案4件など、7件の知事提出議案が上程されました。会期は7月7日まで。

補正予算案の規模は2億5281万円で、内容は秩父高原牧場の交流施設整備費や小花粉スギなどの種苗研究体制強化、ネギの病害虫防除対策などです。

同日、『北朝鮮による弾道ミサイル等の発射に断固抗議し、我が国独自の制裁措置の一層の強化を求める決議』は全会一致で、また東京オリンピック・パラリンピックの開催に係る経費負担に関する決議は賛成多数で可決されました。日本共産党はいずれも賛成しました。

26日の一般質問は日本共産党の金子正江県議が予定していました。金子県議は知事に2017年を核兵器禁止の歴史的な年にする決意を表明するとともに、内心を処罰する共謀罪は廃止するよう求めるようとしました。しかし、質問直前に公明党の石渡豊県議から「金子議員の発言通告に不穏当な記載があり修正を求める」と休憩動議が提出され、自民・公明などの賛成で可決されました。議会運営委員会の場で、公明党の委員が「共謀罪法という法律はなく、まやかし・不穏当な呼称であり議事録に残すべきでない」と文言の修正を求めました。共産党の秋山委員は「共謀罪は新聞各紙、日弁連、知事の記者会見発言でも使われており…国民に広く浸透している文言」として修正を拒否しました。共産党県議団は、発言通告は前もって議長に認められており「議員の表現の自由に対する侵害であり議会制民主主義を揺るがしかねない」との声明を出しました。

金子議員の質問は文言修正は行わずにあらためて27日午後行われました。

高知にできたことは 埼玉でもできるはず

「高知県産業振興策」視察 村岡正嗣県議報告
 高知県は尾崎知事を先頭に「このままでは生き残れない」との危機意識から県民本位の産業振興計画を練り上げました。「強みは中山間地」と、逆転の発想で弱点を強みに変え発展させています。
 中山間地の過疎化や高齢化、少子化の進行、そして経済の減少に対し「人口を増やし、若者の定着・増加、出生率を向上」させることが打開の道と方向を定めました。「足元が弱ければ外に打って出る」と、下請け企業の多い高知県の特性から「地産外消」「地産外商」を打ち出しました。県内で生産したものを県外で売る。そこを県が応援して、売り上げをのばせば増産を支援しました。

産業振興で若者の雇用拡大も
 外商を伸ばすうえで首都圏に拠点がないことが弱点でした。そこで県が外商公社をつくり、そこを拠点に企業の販売・取引のサポートをすすめました。
 産業振興は、県内に留まる若者を増やすことにもつながりました。高知県の被雇用者数は、産業振興計画がスタートした平成21 年の18万1千人から6年で19万2千人と1万人以上増えました。なかでも第一次産業の新規就業者は5年間で2千人以上増えました。これまでは若者が県外に離れて行くのを止められませんでした。
高知県はもともと森林が多く、また海産物は豊富です。カツオを加工した食材づくりなど、一次産業を起点力に位置付け、中山間地も栄えさせる。高知県は地に足をつけて産業振興をはかったのです。
 第3期産業振興計画(平成28年から)では、新たな技術の導入で農業生産アップと黒マグロの養殖に着手します。外商は大阪、名古屋への進出です。地震や津波対策も産業化して防災関連企業を興し、台湾など海外に進出しています。
次号では視察団が訪れた、産業振興と人材育成の現場を見てみます。 (次号に続く)

県の象徴高知城(県ホームページより)

「原発止めたい」の思いつよく

加須市内の原発避難者の現状と 支援について(下)
佐伯由恵・日本共産党加須市議会議員
 戸別訪問は、旧騎西高校避難所閉鎖後、これまで11回を数えています。被災者から「持病が心配」などの健康面の不安や市に対して生活環境などの要望が出されています。また避難元に対する要望も出されています。
 地方自治体の仕事は「住民福祉の増進」(法第1条2)と定められています。普段から医療・介護・福祉を充実し、ひとたび災害が発生しても命は必ず守り抜く取り組みが求められています。そもそも人間の暮らしを脅かす原発自体が、住民福祉に反するものと言わなければなりません。
 市議団は福祉優先のまちづくりに全力を上げています。加須市の特養ホームの整備率は県内トップレベルになりました。待機者ゼロまであと一歩に迫りました。医師確保など医療体制確保に向けて政策提案を行い、力を尽くしています。また、災害時に生活を速やかに再建できるよう「安心・生業(なりわい)基金」の創設を提案しています。

続く避難生活、被災者に寄り添って生きる
 6年目を迎えた3月11日、市内にある双葉町社会福祉協議会で追悼式が開催され、双葉町民約120人が集まりました。震災発生の午後2時46分に黙とうが行われました。
 双葉町埼玉自治会の藤田博司会長は挨拶で「双葉は帰還困難区域。この先何年たったら戻れるかわからない。これからもこの苦境を乗り越えていきたい」と語りました。会場は再会を喜ぶ町民で賑わい歓談後、新たな一年に向い、健康を約束して避難生活へと戻っていきました。
酪農家の女性は、これまで様々な所に出かけ、自らの経験を語り、原発問題を訴えてきた方です。女性は私に「夫の看病がなくなり、これからはもっと出かけていくことができます」と笑顔で話してくれました。「原発を止めたい」というつよい意志が伝わってきました。
 この6年間、私は被災者に寄り添ってきました。これからも被災者が元気で安心して暮らせるようしっかり寄り添っていきたいと思っています。

3.11慰霊祭の献花台

●前回178号2面2段目の「そして妻は…」は「その2日後、妻は息を引き取り」に訂正しお詫びいたします。

共謀罪法案強行採択に 市民も怒り

平和委員会などが街頭宣伝 1時間で廃止署名が67筆も
 6月15日JR浦和駅西口で「共謀罪」採決強行に怒りを込めて宣伝が行われました。急な呼びかけにもかかわらず、10団体、20人が参加しました。日本共産党の3人の県議も駆けつけ、一緒に宣伝しました。1時間足らずの行動で、67筆の署名が集まりました。この日早朝、参議院本会議で共謀罪(テロ等準備罪)が、自民・公明・維新によって可決・成立しました。この暴挙を受けて同日午後、県内の平和団体・労働団体、市民のみなさんが採決に抗議する緊急街頭宣伝を浦和駅前で行いました。日本共産党からは柳下礼子県議、村岡正嗣県議、前原かづえ県議が参加しました。
各県議がマイクを次々握り「民主主義を壊す共謀罪の国会成立に強く抗議する。誰もが犯罪者に仕立て上げられてしまう危険性があり、もの言えぬ監視社会をつくる共謀罪に反対して民主主義を取り戻そう」と訴えました。昼休みの時間帯でサラリーマンや市民が「何事か」と足を止め、ビラを受け取っていました。署名版を持ったメンバーの前に、市民が列をつくって並び署名をして行きました。

―二橋元長・埼玉県平和委員会事務局長の話
 共謀罪は、中身も決め方もひどすぎる。こんな法律は絶対に発動させてはいけない。もっと世論を広げていく決意だ。

浦和駅西口で署名行動