民主県政の会ニュース189号

日本一のあったか市政を支える運動
鈴木智 日本共産党蕨市議団長が報告
民主県政の会 代表委員会・県政学習会

3月29日午後、さいたま市内で民主県政の会第71回代表委員会が開かれました。会議に先立ち行われた県政学習会には労組や市民団他の代表20人が参加、県議会2月定例会の特徴について日本共産党の村岡正嗣県議が、また蕨革新市政について鈴木智蕨市議がそれぞれ報告しました。

民主県政の会は来年夏の県知事選挙に向け、蕨市で革新市長を誕生、市政を守り発展させてきた市民運動と、市長与党の日本共産党市議団の苦労や市政運営を支えた経験などについて鈴木智市議団長から報告を受けました。
「日本一のあったか市政」と呼ばれる蕨市政は、2007年の市長選挙で「フレッシュみんなの会」から立候補した賴高英雄氏が初当選し3期11年続いています。蕨市では20年以上前から大型開発と市民負担増、福祉切り捨ての市政を見直すたたかいが続けられてきました。賴高氏は、人口7万4千人、日本一面積の小さい蕨市で、保守・革新の立場を超えて、何よりも市民の身近な要求実現に取り組んできました。日本共産党などとともに、川口・鳩ヶ谷市との三市合併反対、JR蕨駅のエレベーター設置、国保税値上げ中止など市民の願いに寄り添って運動を積み重ねてきました。その姿勢は賴高氏が市長に当選した後も変わらずに続けられています。選挙では、市民の願いを実現するために保守の人たちも含めて率直な政策論議が行われています。そして「7万市民のための市政運営」を大事にタウンミーティングや公募を含む検討委員会の設置、市政検証委員会など市民とともに市政を運営しています。
 
保守の方々とも本音でつきあう
 
日本共産党やみんなの会は、あったか市政の継続・発展をめざし来年の市長選挙やその先を見据えて活動を強めています。その中で最も大事にしていることは「保守の方々とも要求を共有する。そのために本音で付き合う」ことです。議会では4議席と少数の共産党ですが、市長と力を合わせて小中学校のエアコン設置、特養ホーム・学童保育の増設など市民要求を実現してきました。その中で市議団は「11年間の賴高市政がどのように蕨市を変えたか、財政難でも何を大切にしたか」などを市民に正確に伝え政策化して理解を広げてきました。また市民が市政とのかかわりを実感できるよう努力を重ねてきました。
鈴木議員は「与党として難しい問題もあるが、市長任せにせず支えていく必要がある。市民とともにつくる市政にこそ未来がある」と強調し、引き続き「安心とにぎわい、みんなにあたたかい、日本一のコンパクトシティー蕨」の発展に力を尽くすと決意を語りました。

日本一のあったか市政を支える運動 鈴木智 日本共産党蕨市議団長が報告 民主県政の会 代表委員会・県政学習会
報告する鈴木市議(正面)
 
 

2月県議会の特徴
村岡政嗣県議が報告

 第71回代表委員会は来年の知事選に向け、会の政策づくりや候補者選考の到達を報告し今後について議論しました。
2月定例会について村岡正嗣県議が自民党県議団と上田知事の確執が深刻になる中で、予算では生活扶助基準引き下げや重度心身障害者医療費助成を所得制限する一方、AI技術や八ッ場ダムに多額の予算が回されていると批判しました。
会の活動報告を宍戸出総括幹事が提起し、県民要求を実現する共闘のあり方や運動とそれをすすめる団体・個人とのつながりをどうつくっていくのかなど課題を指摘しました。当面、シンポジウムや講演会の開催など計画していくと提案し確認されました。
 

ホンダ狭山工場閉鎖のもたらすもの
柴田泰彦 民主県政の会特別代表

 ホンダは去る2月2日、2018年3月期での業績予想で、純利益が前年比6割増の1兆円となり、過去最高になると発表しました。トランプ政権の法人税減税によるものだとしています。
ホンダに対して狭山市は、市内の公道をホンダ専用のテストコースにしたり、新狭山駅建設にあたっては、当時500万円の税金を投入するなど数々の便宜を図ってきました。地元農家が用意した通勤用駐車場、借上げ社宅や周辺アパートなどの不動産経営、さらには新狭山駅周辺や工場周辺の飲食店などにも深刻な影響を与えることが予想されます。このように「工場閉鎖」は労働者の雇用だけでなく、地域経済の疲弊、地域の賑わいに陰りをもたらす社会問題でもあるのです。
 
 

一方的撤退は地元ヘの裏切り
門前宣伝にも不安の声

日本共産党の狭山市委員会などが、昨年12月28日以降4回にわたって工場門前でのビラまきや周辺の商店街で宣伝活動を行っています。のべ1300枚のアンケート付きビラなどを配布しました。工場門前では20名以上の労働者と対話ができ、日本共産党の地区委員会には労働者からの電話やメールが入りました。「正社員です。仕方ないサラリーマンだから。以前寄居工場に行きましたが、往復120キロもかかり大変でした。なので退職します」「正社員も泣き出す、弱い者いじめはだめ。皆さんたたかっているんだよねー」の切実な声も寄せられています。商店街でも「もう店を閉めようと思います」「昇進祝いや退職慰労などでよく花束を買っていただいたのに」など、商売の先行きに悲観する切実な声が寄せられています。
工場閉鎖は企業の都合です。しかし工場が利益を上げてこられたのは、そこに働く労働者のおかげであり、狭山市や周辺に展開する中小零細企業の皆さんの支えがあったからではないでしょうか。それを一方的に通告し撤退するというのは日本を代表する大企業のすることではありません。
「ホンダは社会的責任を果たせ」の声を上げていくことが必要ではないでしょうか。
(しばた やすひこ)
 

上田知事 知事会会長就任に波紋
次期知事選への布石(自民)選ぶのは県民(共産)

 4月17日全国知事会議で、上田清司埼玉県知事が全国知事会会長に選出されたことについて、県議会各派から様々な受け止めの声が聞かれます。
 会長任期は2年。任期途中の2019年8月末までに知事選挙が行われることは確実で、最大会派の自民党は「知事会会長就任は来年夏の県知事選挙に向けた布石」と断定して批判と警戒を強めています。
 自民党は上田知事が、前回の知事選(2015年8月)で自ら定めた多選自粛条例に反して出馬したことに根強い反感を持っており、マスコミに対しても「自粛条例をつくった初心を忘れて出馬するようなことはすべきでない」と話しています。一方、民進・立憲や県民会議、公明などの会派は、「県知事と全国知事会会長は別もの」との認識のうえで、他県の知事の信頼も得ており「期待する」としています。日本共産党県議団の柳下礼子団長は「(次期知事選に)立候補するしないは本人の自由。(上田氏を)選ぶかどうかは県民が決める」とする一方、「全国知事会の責任者として、自治体が本来の役割を果たせるよう、国に言うべきことは言ってほしい」と注文をつけました。
 次期知事選まで1年3ヵ月余り。上田知事の去就にとらわれることなく、会としてたたかう準備を確立していくことが求められています。