民主県政の会ニュース197号

【談話】
国民主権を取り戻し、憲法に則った地方自治を求めて埼玉県知事選挙をたたかおう
伊藤 稔 民主県政の会 代表

2019年は4月の統一地方選挙、7月の参議院選挙に続いて8月にも埼玉県知事選挙が行われます。文字どおり「選挙の年」になります。県知事選挙にあたり、民主県政の会の伊藤稔代表の談話を掲載します。
 
明けましておめでとうございます
 
昨年も国会で「強行採決」が相次ぎました。沖縄県知事選で明らかになった民意に「寄り添う」はずの政権は、辺野古の海への土砂投入を強行しました。国会軽視、民意無視の政治が続いています。
今年は埼玉県知事選挙の年です。これまでも県知事選は、重大な国政の課題とともにたたかわれてきました。
4年前は、安保関連法とのたたかいが抜き差しならない事態になっていました。8年前は、東日本大震災と福島第一原発事故という未曽有の大災害が重なった直後に行われました。そして今年の県知事選もまた、安倍政権の暴走が、ついに憲法改悪にまで迫ろうとしているなかでたたかわれることになりそうです。
 
<国政も視野に、知事選をたたかう>
 
もちろん、県知事選で優先的に問われるのは県政の課題です。しかし、今や地方自治は政府の定めた枠内での「自治」に押し込められ、枠そのものを批判することは許されなくなりつつあります。沖縄の例を引くまでもなく、私たちは国政をも視野に入れながら県政の課題を考えていかなければなりません。民意を無視した政権の暴走から「主権の存する国民」としての地位を取り戻しましょう。憲法に則った地方自治を求めて県知事選をたたかいぬきましょう。
 
1面P1伊藤稔
 

原発、八ッ場ダム、自然災害と農業―県政に問われるものは2月2日県政フォーラムを予定

民主県政の会は昨年9月の県政シンポジウムに続いて、県政の課題を学び合う「県政フォーラム」を開催します。
今夏の県知事選挙に向けて、会の県政政策にもつながる3つの課題を、専門の3氏から報告・問題提起していただきます。
①風水害や地震などの自然災害に対し、県の基幹的産業である農業行政の検証と将来を展望する課題。②県財政を湯水のように注ぐ八ツ場ダムや思川開発事業などの大型公共工事。③稼働から40年経ち、多くの反対を押し切ってすすめられる東海第二原発再稼働と自然エネルギー。それぞれの分野から県政のあり方を問うフォーラムを予定しています。
■日時 2月2日(土)13時30分開会
■場所 埼玉県県民健康センター1階会議室C
■規模 100人(目標)
■入場無料
 

「DATAで見る私たちのくらしと埼玉県政」発行のお知らせ

民主県政の会は今年行われる埼玉県知事選挙に向けて、会としての県政政策をまとめた「DATAで見る私たちのくらしと埼玉県政2019」(仮称)の発行を予定しています。
「埼玉県に住みたい!働きたい!」をコンセプトに、魅力ある埼玉県をつくるための政策を提起し、県団体や各地域で活用できるように引き続き議論を重ねています。3月発行の予定です。
 

埼玉県議会12月定例会が閉会
国保税引き下げは可能「提言はひとつの考え方」金子県議に知事が答弁

12月3日から行われていた埼玉県議会12月定例会は、19日間の日程を終え21日閉会しました。議会では18年度特別会計補正予算や条例案など17議案が提案・審議されました。
本会議一般質問では日本共産党の金子正江議員が、民主県政の会の政策にも関わるいくつかの問題で質問しました。国保税の税率改定については、11月に県国保運営委員会が来年度の市町村における一人あたりの保険税を全県平均5%引き上げる必要があると試算を示したことで、多くの自治体が税率を引き上げることは必至です。税率改定を決めている自治体について知事は、富士見市、越谷市、川越市、熊谷市、東松山市、上尾市、桶川市、宮代町の7市1町の名をあげました。県議はこれらの市町村に県独自の法定外財政支援を求めましたが、知事は法定財政支援は600億円だとしてこれを拒否しました。さらに金子県議は「均等割・平等割を廃止し国の財政負担で協会健保なみに引き下げ可能」とする日本共産党の国保政策を示しました。知事は「提言は一つの考え方」だと答えました。国保税の見直しは、埼玉社保協も今年度運動の柱のひとつにしています。

<待ったなし「越谷児相」「かがやき支援学校」の整備>

また金子県議は越谷児童相談所の施設整備と職員不足の問題で質問。越谷児相が担当地域の人口増に伴い、3年前の3590件から昨年度は5812件へと相談が激増しています。しかし職員は65人から70人と僅か5人しか増えていません。福祉部長は施設整備を順次行っていくこと、職員確保に努めることなど答えました。いま、子どもと保護者を取り巻く状況は社会的事件が頻発するなど深刻で、児相が果たしている重要な役割が明らかになりました。
さらに特別支援学校の過密化について、県が早急に緩和策を講ずるよう求めました。草加かがやき特別支援学校は13年に知的障害児216名44学級で開校しましたが、今年は400名79学級にほぼ倍増しています。教室不足から1教室を2学級で使用するなど詰め込みも行われています。また給食施設が限界を超え、トイレが隣接する玄関ホールが配膳カートと児童の行き来でごった返すありさまです。かがやきの児童数はさらに増加する見込みで、他校への児童の振り分けでなく増設・新設するよう強く求めました。教育長は「特別支援学校の施設整備を含めた環境整備に関する計画を策定するため検討会議を設置した」と答えました。また消費税増税中止や日米地位協定の見直しなどでも質問しました。

<12月県議会レクチャーと代表委員会>

1月18日(金)午後1時30分、自治労連会館3階会議室で埼玉県議会12月定例会レクチャーを民主県政の会と大運動実行委員会の共催で行います。
県議会での質問、知事や執行部との生々しいやり取りなど聞けますので、多くの団体・地域から参加をお願いします。
終了後、民主県政の会の代表委員会も行われます。

2面P2埼玉県議会
埼玉県議会議事堂
 

埼玉の魅力「感じる」は55% 県政世論調査で県民の意向示される

県が昨年7月に行った県政世論調査の最終報告が発表されました。今回初めて行った「埼玉県に魅力を感じるか」の質問に対して「魅力を感じる」と答えた県民が13・2%にとどまったとマスコミが報じています。「どちらかといえば魅力を感じる」(41・8%)を足しても54・6%と約半数。「魅力を感じない、どちらかと言えば感じない」は合わせて28・1%。魅力を感じると答えた人の内「住みやすい」を理由にあげた人が67・9%と最も多く「道路や交通の便が良い」「山、川など自然が豊か」が続いています。県広報課は全国の魅力度ランキングで最下位の茨城県は80〜90%が「ない」と答えているが、埼玉も「自県への関心が低いのでは」と話しているようです。埼玉県の魅力をつくる県政のあり方こそ問われているようです。
 

イデオロギーでなく、市民の生活と福祉向上が市の役割
もっとあっていい県の支援
9・8県政シンポジウムの発言から 要旨 

私は市長として、市民の生活と福祉の向上が大事な役割だと考えてきました。
イデオロギーではなく、どんな政策で預かった税金を市民にフィードバックしていくかを心掛けました。
市長と議会は車の両輪です。何でも賛成というわけにはいきませんし、何でも反対というわけにもいかない。
改善提案の中で良い企画であれば受け入れて街づくりをすすめてきました。
 
市長になったのは平成4年。バブルが崩壊して国全体が厳しい財政状況の中でした。
財政的には市民サービスの財源がありません。そこで箱物はつくらない、コンクリートから人へという考え方ですすめてきました。
経費の節約もすすめました。

平成7年に阪神淡路大震災が起こりました。震度7の地震でした。国交省から「震度7に耐えられる街づくりを」の通達が出されました。
特に小中学校等については、耐震診断をして耐えられなければすべて補強工事をやりなさいと。学校は避難場所でもあり子ども達の命と健康を守るところですから、すべての小中学校と公共施設の耐震診断を行いました。
平成8年から国の補助が出るとことになり、小中学校最優先で24校の耐震補強工事を行いました。
鉄筋の劣化やコンクリートの劣化などで、補強工事では治せないところは建て替えました。平成13年に一校建て替え27億円近くかかりました。

<国の支援なしでも公立保育園6園増設>

保育園の増設も行いました。保育園は国と市、事業者の負担で建設します。法人保育園への補助は、国が2分の1、市が12分の1、保育園の法人さんが残りを持ちます。国の補助以外に市が特別補助を出すのはたいへん珍しいことですが、どんどん建設しました。市長になって法人は30園、さらに3園つくり33園になっています。また公立は6園です。公立は国が支援すべきですが一銭も出さない。少子高齢化の時代にあって、しっかり子育て支援をして、生み育てやすい地域環境をつくっていくのは地方自治体だけでなく国の仕事でもあります。エアコンの設置やトイレ改修も水洗・洋式に切り替えてきました。

<子ども医療費、所得制限なしで高校まで無料に>

子ども医療費。これも子育てしやすい環境づくりでは一番大きな政策です。医療費の入通院無料化をすすめ、平成25年からは高校生まですべて無料にしました。全額無料で所得制限を設けていないのは新座市だけでした。県は中学生まで50%支援していますが所得制限を設けています。入通院とも県と市で半分ずつ持ちますが所得制限があり県の負担は28・3%、しかも就学前までです。新座市は小学校1年から高校3年生まで所得制限なし。県にお願いしたいのは国をあげて少子化対策をすすめようというのだから、それにもとづいて子ども医療費の支援、保育園の建設費や保育士確保に力を入れることです。新座市では法人保育園の保育士さんには月1万円の特別補助をしています。東京に引き抜かれないようにと。東京では家賃補助までしています。保育園をつくっても保育士がいなければ子どもを預かれません。この方策、政策、支援策を県はしっかり考えていただきたい。人口を増やし安心して子育てできる地域と国にしていく上で、県の支援が少し薄いのではと残念な気持ちでいっぱいです。(文責・編集部)

須田健治(すだ けんじ)
1992年から6期24年、新座市長の要職を務める。
 
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日本を代表する大企業「ホンダ」は住民に寄り添ってCSRを果たせ❸
柴田泰彦 民主県政の会特別代表

民主県政の会ニュース195号(11月1日)から3回にわたり掲載してきたホンダ狭山工場閉鎖問題は今回が最終回です。
ニュースは地元の地区労や日本共産党支部のみなさんが、労働者や市内の業者への聞き取りなどで集めた「生の声」をもとに柴田特別代表がまとめました。しかし工場閉鎖問題が終わったわけではありません。今後も監視を続けていく必要があります。
 
<狭山市はアンケート結果を対策に活かすべき>
 
狭山市と商工会議所には次のような要望があります。
 ●工場跡地の活用について早期に情報開示してほしい。
 ●影響がある中小企業に対して細かな相談まで対応してもらいたい。
 ●工場移転で職探しする人が出るなら近隣の事業所で働けるよう説明会などを開催してほしい。
 ●新しい取引先とのマッチングの強化、サポートなど。
 ●人材確保のため、市内高校の進路指導の先生とつながりがほしい。
 ●狭山工場閉鎖に関してどのような話し合いをしているのか情報を公開してほしい。
 ●零細企業に税率やスタートアップの補助があると助かる。
等々。
狭山市と商工会議所はこうした関連事業者の思いに寄り添う対策を考える必要があります。

<地区労・商工会議所など力合わせて街を守ろう>

地域の市民の皆さんと要求を出し合い、市や国・県の政治にも働きかけ、狭山工場に働く4600人の労働者の雇用と労働条件、そして近隣の自営業者の営業と暮らしを守るために狭山地区労や狭山市商工会議所などが連携し、この街をより良くしていくために引き続き取り組みを強めましょう。(了)

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ホンダ狭山工場門前宣伝