民主県政の会ニュース203号

降ひょう被害、乳幼児医療費助成、県立高校統廃合問題などで県に迫る
県議会6月定例会で秋山もえ議員が初質問

県議会6月定例会が7月5日までの日程で開かれています。6月24日は日本共産党新人の秋山もえ議員が初質問に立ち、降ひょう被害農家支援や乳幼児医療費助成、国保税問題などで県民のくらしの実態を示して質問し答弁を求めました(写真)。
 
5月の連休中に県内各地を襲った突然のひょうで、少なくない農家が被害を蒙りました。とくに上尾・伊奈の梨農家の被害は壊滅的で、深刻な事態に陥りました。秋山議員は「5市1町を特別災害指定したが現状では支援が不十分。被害にあった農家の方に直接会い、全力で支える決意を示してほしい」と知事に迫りました。上田知事が「先頭に立ってしっかり支援する」と答弁する一幕も。
 
また乳幼児医療費助成では、県内21自体で実現している18歳までの対象年齢引き上げや、窓口払いの検討を迫りました。知事は、窓口払いは検討すると答えましたが、就学前の児童は病気にかかりやすく保護者の負担も重い。今はここの改善をはかるのが大事であり、対象年齢の引き上げはできないとの答弁を繰り返しました。
 
さらに県立高校の統廃合について、県の「魅力ある県立高校づくり第1期実施方策(案)」について質問しました。秋山議員は具体的に提案されている県立児玉高校と飯能高校廃止について、地域にかけがいのない県立高校を廃止しないよう強く求めました。県教育長は「県内の子どもは6千人減少する。1学年5学級以下の学校は廃止せざるを得ない」と数字を機械的に当てはめて「廃止ありき」の答弁を行いました。秋山議員は両校とも歴史や伝統があり、地元からも中止を求める意見があげられており「その声を軽視する一方的な廃止は許されない」と厳しく詰め寄りました。
 
このほか正規の国保証発行や県立ろう学園の増設、性暴力被害者のための病院拠点型ワンストップ支援センターの整備などについて質問しました。
 
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県知事選挙は重大な判断局面に

埼玉県知事選挙の日程が確定し、新聞などで予定候補者の顔ぶれが報じられています。
 
民主県政の会では幹事会や役員選考委員会で最終的な判断を検討しています。7月4日には参院選挙が公示され、候補者が決定されれば、参院選と同時進行で急いで活動を広げる重大な局面を迎えています。
 
一方、上田清司知事が今期限りで知事を退任すると発表しました。希望の党の行田邦子参議院議員、国民民主党の大野元裕参議院議員が知事選への立候補を表明。さらに元プロ野球選手でスポーツライターの青島健太氏が自民党の推薦を受け出馬する意向を表明しています。
 
上田知事は6月15日の記者会見で「改革の成果と方向性が出てきている。誰がやろうと一定の方向性は決まっている」と述べました。しかし上田県政の16年は、国の悪政から県民を守る防波堤としての県政の役割を放棄し、子育て支援や医療でも障害者支援でも、国に習っていっそう県民負担を増やす施策の連続でした。上田知事の言う「改革」は、県職員を大幅に減らして、本当に必要な県民サービスを削ってきたことです。このような県政を「誰がやろうと方向性は決まっている」と継続されては困ります。県民の切実な要求に照らして、どのような政策を打ち出し、またその政治的力量と信頼性がどうか判断されるかが大事になります。
 
 

新たな高校統廃合に反対する
「魅力ある県立高校づくり第1期実施方策(案)」についての見解
埼玉県高等学校教職員組合 新島 善弘 中央執行委員長

埼玉県教育委員会(以下、県教委)は、6月19日、「魅力ある県立高校づくり第1期実施方策(案)」(以下、「第1期実施方策(案)」)を非公開の会議で協議し、その後公表しました。
 
<県立児玉高校・飯能高校を廃止に>
 
「第1期実施方策(案)」の内容は次の通りです。「児玉白楊高校と児玉高校を統合し、現在の児玉白楊高校の場所に、地域産業を支える人材を育成する高校を設置する。この新校は農業に関する学科、工業に関する学科及び『実学』を重視する普通科の併置校とする。基礎的な学力の定着に重点を置き、学び直しのための科目を設定する。地域との交流を進め、地域に貢献する人材を育成するために、地域の教育力を積極的に活用する」としています。
また「飯能高校と飯能南高校を統合し、現在の飯能高校の場所に進学を重視した地域と協働する高校を設置する。この新校は、学習環境の充実を図り地域との協働による探究的な学びを実践するなど、進学に重点を置いた普通科高校とする。地域を題材とした探究活動を通して、地域と協働した課題解決や地域づくりに取り組む。英語4技能の確実な習得等、大学入学者選抜改革に対応した教育活動を展開する。各教科・科目において協働学習やICTを積極的に活用する」としています。2校とも2023年に開校するとしています。
 
<中学校生の減少を理由に全県で8校〜15校廃止>
 
2018年4月に公表された「魅力ある県立学校づくり実施方策策定に向けて(再編整備の進め方)」では、公立中学校の卒業生が2017年3月の6万2千人から2029年3月の5万6千人と12年間で約6千人減少することが見込まれ、必要な学校数を121〜124校としています。現在県立高校は134校であるため2029年までに南部、さいたま及び県央地域からは2〜4校、南西部、川越比企及び西部地域からは2〜4校、東部及び利根地域からは2〜4校、北部及び秩父地域からは2〜3校の再編整備を検討していくとしています。

統廃合でなく、学級定数を30人以下に

地域から学校をなくすとどうしても都市部に人は流れ出し、地域はますます疲弊していきます。自転車やバスなどを利用し時間をかけて遠い高校まで通うことになり、通学費は家計を圧迫します。高校へ進学したい中学生の選択肢を減らすことになり、学習権を侵害します。生徒数が減少している今こそ、埼玉県がしなければならないことは統廃合ではなく、学級定数を30人以下にし、教育条件の整備と教職員の大幅増員することではないでしょうか。
 
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県立飯能高校(学校ホームページより)
 
 

「魅力ある県立学校づくり」で県教育委員会が県民コメントを求めています

▶︎多くご意見を下記に届けてください
 
県教委が県民コメントを求めています。ぜひ、多くのご意見を届けてください。
 
①募集期間 6月24日(月)〜7月23日(火)まで。
②方法 郵送、FAX又はメールで住所、氏名を明記する。
③送付先
(郵送)〒330―9301(住所は省略できる)
    埼玉県 教育局 県立学校部 魅力ある高校づくり課
(FAX)048―830―4951
(Email)a6780@pref.saitama.lg.jp
 
※件名は「魅力ある県立高校づくり第1期実施方策(案)」とする。
※注意:電話等での口頭での意見は受け付けません。