民主県政の会ニュース204号

大野知事誕生
市民と野党の新たな共闘の展望開く

埼玉県知事選挙の結果について2019年8月25日民主県政の会
 
埼玉県知事選挙の結果を受けて8月25日、民主県政の会が「埼玉県知事選挙の結果について」を発表しました。選挙後の県議会は9月20日に開会(10月11日までの予定)しますが、新知事のもとでどのような県政運営がされるか注目されます。
 
8月25日投開票でたたかわれた埼玉県知事選挙は、私たち民主県政の会も「自主支援」し市民と立憲野党の共闘のたたかいとなった大野もとひろ氏が92万3482票を獲得し、自民・公明が推薦する青島候補に5万7461票差をつけ勝利しました。民主県政の会に結集する団体・個人のみなさんのご奮闘に心から感謝申し上げます。
 
今回の知事選は、2つの大義がありました。第一は、県議会自民党による異常な議会運営が持ち込まれた形での自民党県政復活阻止の大義です。県議会自民党は数におごって原発再稼働の意見書や県民の請願を踏みにじるなど、数々の暴挙を繰り返してきました。畑革新県政がかかげた「憲法を暮らしに生かす」スローガンを奪ったのも自民党県政でした。このような県議会自民党に操られる、そして安倍自公政権直轄の知事の誕生は絶対に許してはならないことです。第二は、安倍自公政権が狙う憲法改悪の流れを、市民と野党の共闘でストップさせる――すなわち「開かれた民主主義と立憲主義を守る」ことです。そしてこの2つの大義のもとに民主県政の会に結集する団体・個人はたたかいぬきました。
 
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今回の県知事選挙をたたかって、3つ貴重な経験が生まれました。第一に、「県民を主語にした県政」を訴え続けた大野氏が、文字通り、県民の要求と願いに寄り添い、県民に響いたことです。大野氏の掲げる政策は、私たちにとって1つ1つは是非が問われるものもありますが、医療や子育て、地場産業・中小企業の育成など、かかげた公約は、私たちの政策とも一致する点があり、ともに前進させることが可能になったことです。多数の県議会自民党の中にあって、公約をした知事任せにしては前にすすみません。私たち要求団体が、広く県民と一緒になってすすめなければなりません。一緒になって「日本一暮らしやすい埼玉」をつくる時代を切り開いたことです。
 
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第二に、市民と野党の共闘は、自公政権を許さない大きな力となり、1人を選ぶ選挙でも、共闘によって変えることができる―このことを教えるものでした。私たちが候補者擁立を見送り、大野氏を自主支援したことで、「与野党対決の構図」となりました。730万県民が住む「大県」での市民と野党共闘の候補勝利は、全国を激励するものとなりました。引き続きたたかわれる参院補選、そして総選挙になっても、この共闘は「前にすすむことはあっても崩れるものではない」ことを示しました。「市民と野党のホンキの共闘」は必ず自公政権を追い込み、新しい未来への展望を切り開くものであることを確信しました。
 
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第三に、たたかいの中で市民と野党の共闘は成熟していくことです。今回、私たちが自主支援するにあたり、私たちの2つの大義を大野氏に伝えました。「開かれた民主主義と立憲主義に基づき」という基本姿勢が政策の冒頭に書き込まれました。また県議会自民党の横暴に真正面から対峙する立場を貫き、選挙期間中はさらにそのトーンが高まりました。これは私たち民主県政の会も自主支援を通じて働きかけたことで、候補者自身も変化したことではないでしょうか。さらには、私たちが態度表明して以降、9日の日本共産党との合同決起集会、19日の民主県政の会決起集会によって一気に自公候補との「大接戦」へと引き上げました。22日の演説会は会場溢れる参加で大野氏も激励されました。最終盤で日本共産党が30万枚のチラシを受け持ち一気に広げました。各駅頭では、民主県政の会の仲間が数多く、大野氏の応援に駆け付けました。他の会派議員とも一緒に宣伝も行いました。私たちは、自主支援を決定してから、「やるべきことは何でもやる」ことを伝え、そのことは、全体を励ましただけでなく、多くの共感も寄せられ、「下支え」だけではなく、「共同」して選挙をたたかう力へと発展し、その勢いが最後の追い上げへとつながりました。これも、互いの信頼関係の発展です。
 
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今回、大接戦のたたかいへと持ち込み勝利を勝ちとったのは私たちが候補者擁立を見送っただけでなく、「最大限の自主支援」を判断したことです。もし「大野氏のひとつひとつの政策での判断」や「応援団長が上田知事であること」などを理由に自主「投票」となっていたら、この大激戦と勝利はつかめなかったでしょう。ここには、「市民と野党の共闘を発展させる」立場から、2つの大義を貫いたことにあり、最大は、多くの県民要求を前にすすめる、日本の未来と埼玉の未来を切り開く立場からでした。一方で、投票率が上がったとはいえ32・31%だったことは課題を残しました。
 
今回の県知事選挙を通じて、県民の願いと要求は、「新しい知事に力をいれてほしい政策」のトップであった「医療・福祉」(37%)などはっきりしました。しかし、知事と県議会の状況では、平たんな道のりではありません。だからこそ、前にすすんだ「市民と野党の共闘」の力で、今度は、大野知事とともに、県政を前にすすめる番です。私たちが、さらに県政に目を届け、一方で投票に行かなかった7割の県民も巻き込んだ県民運動をつくっていくときです。今回の選挙では、私たちが一歩足を踏み出せば、共闘も大きく広がること、ともにたたかえば、互いの理解も深まること、そして、力をあわせれば政治を変えられることが明らかになりました。このことを大事にしながら、県民要求を前にすすめる―そのために、民主県政の会に結集するそれぞれの要求団体が、その役割を果たしていくことも呼びかけます。
 
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野党連合に敗けた
自民県連会長が会見

新聞報道によれば、26日県庁で記者会見した自民党の新藤義孝県連会長(青島健太選対責任者)は、「できる限りの努力をしたが、県民は野党の連合による県政を望んだということに尽きる」と敗戦の弁を述べました。
 
野党共闘が実を結んだ県知事選挙。この結果を、さらなる共闘の発展につなげていくことがいよいよ重要になっています。